家畜伝染病予防法施⾏規則の⼀部を改正する省令案に対するパブリックコメント
2020年6月11日
次のとおりパブリックコメントを提出いたしました。
受付番号:202006110000994022
案件番号:550003113
案件名:家畜伝染病予防法施⾏規則の⼀部を改正する省令案の意⾒・情報の募集について
所管府省・部局名等:農林⽔産省消費・安全局動物衛⽣課
提出意見:以下
東京都中央区銀座でMON株式会社という教育会社を経営しております⾨⽥政⼰です。
この度はコロナ過の⼤変な時期にも関わらず、飼養衛⽣管理基準の改正に取り組んでいただきありがとうございました。
募集されておりました「家畜伝染病予防法施⾏規則の⼀部を改正する省令案」について意⾒を述べさせていただきます。
まず、前提として私どもMON株式会社(教育会社)では、上場企業をはじめとする国内外の有⼒な企業から依頼を受けて、ビジネスパーソンの能⼒開発を実施しております。
その教育カリキュラムの1つに「現場⼒を⾼める」ことを⽬的としたフィールドワーク研修がございます。
このフィールドワークで受講者が現地・現場へ赴いて体験する仕事が第⼀次産業の農業や牧畜業になります。
何箇所かある現地・現場の中には、MON株式会社が所有する愛知県南部(美浜町)の牧場があります。
その牧場には今回の「家畜伝染病予防法」の対象家畜である⼭⽺が多数飼育されています。
⼭⽺というマイナー動物であり、産業として⼤きく衰退したビジネスを題材にしながら現地・現場で仮説⽴案〜仮説検証をして、課題の解決策を検討する研修カリキュラムとなっております。
当社の場合、農林⽔産省管轄の家畜商の許可を得ておりますが、環境省管轄の第⼀種動物取扱業の展⽰許可も得ております。
事実、私たちは⽼若男⼥を問わず、⼭⽺という動物と触れ合ってもらう過程で教育サービスを提供して対価を得ております。
間違っても⼭⽺を産業動物として殺すことを前提にしたビジネスモデル(⾁や⽪の販売等)ではありません。
どちらかといえば、サービスの性質上は展⽰によって学びを提供する動物園に近いと考えております。(注意︓ただし私たちは動物園のように税制上の⽀援措置や社会資本整備総合交付⾦などの⽀援は受けていないことを申し添えておきます)
そのような⽴場から今回の改正案を拝⾒した際、次の諸外国の動向との違いを感じました。
・EUでは、1999年にEU動物園指令(Zoo Directive)を制定する
・英国では、1999年に EU 動物園指令(Zoo Directive)を出す
・⽶国では、1966年に「動物福祉法(Animal Welfare Act)」を制定する
この点については、農林⽔産省でも2014年3⽉に「海外農業・貿易事情調査分析事業報告書」の「第III部EUにおける動物福祉(アニマルウェルフェア)政策の概要」の中で調査分析されているとおりです。
動物福祉の観点からすれば、農林⽔産省として草⾷動物である⼭⽺の⽣理と習性を最⼤限尊重する義務があり、今回の法改正を考慮する必要があります。
前置きが⻑くなりましたが、所有する動物が豚熱(CSF)やアフリカ豚熱(ASF)、⼝蹄疫などの家畜伝染病にかからないよう予防するための法改正には⼤賛成ですが、草⾷動物の⽣理と習性に即した以下の内容を前向きに検討していただきたく要望申し上げます。
■飼養衛⽣管理基準(案)に対する要望、提案、代案
1家畜防疫に関する基本的事項〜〔飼養環境に関する事項〕〜9放牧制限の準備
<要望>
・飼養衛⽣管理基準(案)の対象家畜から⼭⽺を対象外にする
<提案>
・第⼀種動物取扱業の展⽰⽬的で飼育されている動物を放牧制限の対象外にする
<代案>
・第⼀種動物取扱業の展⽰施設を閉園して外部との接触を断てば放牧制限しない
■飼養衛⽣管理基準(案)に対する要望、提案
3衛⽣管理区域への病原体の侵⼊防⽌〜〔野⽣動物に関する事項〕〜 23衛⽣管理区域への野⽣動物の侵⼊防⽌
<要望>
・防護柵の設置、屋外飼育施設の⼆重柵等、破損箇所の修繕、防護柵周囲の除草その他の必要な措置にかかる費⽤を国に全額負担していただきたい
<提案>
・家畜保健衛⽣所へ届け出た定期報告の現地確認の際に家畜保健衛⽣所の職員が必要な措置を現地確認して算出から⽀給までを⾏う(必要な措置を講じる猶予期間または移⾏期間が必要)
以上となります。
なにとぞご検討のほどよろしくお願いいたします。