ご事情により、やむを得ず飼育をすることが困難になったヤギの引き取りをいたします。
私たちは環境省管轄の『譲受飼養』の許認可を受けた動物取扱業者です。
※譲受飼養とは、譲渡者から今後の飼養管理費をいただきヤギが命をまっとうするまで
私たちが責任をもって終生飼養することを言います。
<次のことでお困りの際はご相談ください>
・病気や年齢により今後も継続して飼育することができない
・引越や転勤のため次の住居で飼育することができない
・鳴声や臭いなど近隣からの苦情により飼育できない
・飼主に対する頭突きなど問題行動が手に負えない
・赤ちゃんヤギが産まれて(増えて)育てられない
・家族の病気や看病のため飼育を継続できない
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- 譲受飼養に対する私たちの考え
- その昔、日本国内においてヤギは家畜の一種として扱われてきました。もちろん現在でもヤギを家畜として購入し、飼育し、廃用すことは他の家畜(牛、豚、鳥)と同じように従前の行為とされています。私も生きる糧として家畜(牛、豚、鳥)からしか得ることのできない動物性たんぱく質の恩恵を受けるものとして何ら異論はありません。しかし、近年ではヤギをペットとして飼育される方が増加しています。私たちもヤギを「家族の一員」と考えて愛玩動物や伴侶動物として苦楽を共に過ごしています。一方で愛玩動物や伴侶動物としてヤギを提供するには諸条件を満たし、環境省管轄の第一種動物取扱業者としての許認可が必要になります。その許認可業務の1つに「譲受飼養」という業務があります。これは、譲渡者から今後の飼養管理費をいただいてヤギが命をまっとうするまで私たちが責任をもって終生飼養する業務です。第一種動物取扱業者でヤギを専門に取り扱っている事業者は少なく、さらに「譲受飼養」の許認可を受けて公式にヤギの譲受をしている事業者に私は出会ったことがありません。このように事例の少ない事業に私たちがどのように取り組んでいるのか内容と考えを紹介させていただきます。まず、譲受をする際の飼養管理費計算方法は次の通りです。(両親の体重÷2)×1日の飼料供給量×平均寿命分=譲受飼養料一般的な30kgに成長するミニヤギであれば一生の間に草代だけで65万円はかかります。中型から大型の品種であれば、その2~3倍はかかるでしょう。決して安い金額ではありませんが、私たちがヤギを販売するときは購入希望者さんへの説明で飼育代として、草代や駆虫代などの費用が1年間で10万円はかかるとお伝えしています。平均寿命から考えれば終生飼養には100~120万円(1頭あたり)が必要になると説明したうえで覚悟をもって飼育していただきます。もちろんこれは健康に平均寿命を終えたときの話であり、病気や怪我はその都度、保険の無い実費費用がかかることになります。さらにこれら飼育にかかる時間や労力は言うまでもなく莫大です。飼養によって動物の命を預かるということは、愛玩や伴侶といった家族の一員であっても動物の生殺与奪の権限が飼主にあることは紛れもない事実です。すべての命が尊いことから命の重さと金額はイコールではありませんが、飼育者の責任と金額はイコールであると考えます。誰がどのように飼養するにしても動物にとって幸せであることが一番大切なことだと思います。以上が私たちの譲受飼養の内容と考えです。ご参考になれば幸いです。
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- ヤギ譲受 事例①
- この度、師匠の今井明夫先生(元:全国山羊ネットワーク代表)から連絡を受けて、安部直重先生のお宅へお邪魔しました。安部直重先生は、元、玉川大学の教授として農学部でヤギの生態を研究されていましたが、ご退官されたあとは自然豊かな和歌山県に移住されてヤギを飼いながら素敵な第二の人生を満喫されています。普段はヤギの飼育や無農薬野菜の栽培をするかわら地域の小学生にヤギをテーマに授業を行ったり、全国山羊ネットワークの副代表としてヤギ関係者のお世話をしてくれています。そんな私たちにとって大先生の安部先生にのっぴきならないご事情が発生したため手塩をかけて育てたヤギたちを引き取りに伺った次第です。現地で畜舎やヤギを拝見した感想は、「さすが動物行動学を専門にされているだけあって畜舎づくりや飼料(自家製サイレージ)の工夫が素晴らしく、何よりヤギたちの健康状態やスタイルが抜群に良い!」と感じました。また、私たちの突飛な質問にも理路整然と答えられ、まさに博学多識(はくがくたしき)というに相応しい印象でした。安部先生が断腸の思いで手放されたヤギを荷台に乗せて帰る道中、譲り受けたヤギと実現したい夢が1つ浮かびましたが、それはまたの機会にご紹介させていただきます。