ヤギ譲受 事例①
この度、全国山羊ネットワークの元代表:今井明夫さんから連絡を受けて、安部直重先生のお宅へお邪魔しました。
安部直重先生は、玉川大学の元教授として農学部でヤギの生態を研究されていましたが、ご退官されたあとは自然豊かな和歌山県に移住されてヤギを飼いながら素敵な第二の人生を満喫されています。
普段はヤギの飼育や無農薬野菜の栽培をするかわら地域の小学生にヤギをテーマに授業を行ったり、全国山羊ネットワークの副代表としてヤギ関係者のお世話をしています。
そんな安部直重先生に諸事情が発生したため手塩をかけて育てたヤギ7頭を引き取りに伺いました。
現地を拝見した感想は、動物行動学を専門にされているだけあって畜舎づくりや飼料(自家製サイレージ)の工夫が素晴らしいと思いました。
また、ヤギたちの状態やスタイルも健康的で良好でした。
私たちの突飛な質問にも快く理路整然と答えられる姿は博学多識(はくがくたしき)という印象でした。
飼主が断腸の思いで手放す「ヤギの譲受」で感じることは、誰しも飼い始めは最後まで責任をもって育てる終生飼養を心に誓っていたということです。
もちろん今回の安部直重先生も同じ考えだったことは本人に確認しています。
飼育者として動物の命を預かるということは、その飼育目的がたとえ家畜であっても、愛玩であっても、動物の生殺与奪の権限が飼主にあることは紛れもない事実です。
終生飼養できなくなった時に、どうするのか?その人の人間性が問われています。
「可愛い」「家族です」と言っていたヤギを家畜業者へ渡して殺す人もいれば、捨てる人もいます。
私たち人間の命も、動物の命も、すべての命が尊いことを知ってもらいたいです。