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ボクのひとりごと

求人について

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先日、就職活動中の高校3年生から嬉しいご連絡をいただきました。
それは「愛知ヤギ農場で新規採用の予定があれば是非チャレンジしたい」という主旨のメールでした。
素直に嬉しい反面、とてももどかしい気持ちになりました。
その赤裸々な気持ちを綴った門田からの返信メールを個人情報が分からない範囲で転記させていただきます。

ーーー

●●様

こんにちは愛知ヤギ農場の門田まさみです。
この度は、お問い合わせをいただきありがとうございます。
■■高校でヤギの研究をされているとのこと興味深く拝見いたしました。
また、多くの高校生が就職活動を先生や学校任せにしていることを考えると、
●●さんのようにご自分でリサーチして人任せにせず行動できることが素晴らしいと感じました。
そのような優秀な方から私たちの活動に興味をもっていただけたことが素直に嬉しいです。
ありがとうございます。

さて、お問い合わせいただきました今年度の新規採用についてご返信させていただきます。
大変申し上げにくいのですが、現状は採用を行っていません。
せっかくお問い合わせいただいたのに申し訳ありません。

●●さんがヤギの研究をされているということで今後の参考になるか分かりませんが、
私たちが採用をしていない理由をご説明させてください。
正しくは「採用をしていない理由」ではなく「採用できない理由」になります。

前提として農林水産省の畜産統計でヤギを飼育している国内の戸数は3,614戸です。
そのうち私の知る限りでは、ヤギ生産者として生計を立てれている数は10戸ありません。
これは国立機関の職員も同じ認識を持っています。
(ただしヤギを食べる独自文化による産業が確立した沖縄圏を除いています)
ということは産業=ビジネスとして破綻しており、成り立っていないことを表しています。
ゆえにヤギの飼育作業が大変でも人を「採用できない」という構造になっています。
愛知ヤギ農場も多分に漏れずヤギの生産者としては収支がとれていません。
どちらかというと私たちはヤギ生産者というよりヤギを介在させた活動を目的にしています。
そのため現状は母体である教育会社からの支援によってヤギの飼育管理をしている状況です。
ヤギの飼育頭数も半世紀で60万頭から2万頭に激減しました。
需要と供給が成り立っていれば増えることがあっても減ることはありません。
私たちもヤギの生産者という枠にとらわれずヤギビジネスという領域で生計を立てて
●●さんのような優秀な方を採用できるように発展していきたいと考えています。
長々と失礼いたしました。

最後に、お問い合わせいただけたことに感謝しております。
返信メールに農場情報を添付しておきますので、知多半島に来られる際はお声がけいただければ幸いです。
今後、●●さんの就職活動が成就されることを願っております。

愛知ヤギ農場
門田まさみ